スポーツ整形及び外傷|学芸大学|整形外科|かわぐち整形外科

〒152-0004 東京都目黒区鷹番3-6-18 カザーナ学芸大学2F
03-3712-1054
ヘッダー画像

スポーツ整形及び外傷

スポーツ整形及び外傷|学芸大学|整形外科|かわぐち整形外科

スポーツ整形及び外傷

スポーツ整形及び外傷

整形外科では、外傷やスポーツに関連する問題も重要な領域です。骨折、肉離れ、靭帯損傷、脱臼など、これらの外傷についてまず正確な診断が必要です。ただし、治療の進め方は患者様の生活や年齢、スポーツのレベルによって異なります。診断後、患者様とそのご家族とよく話し合い、治療の進め方を決めることが非常に重要です。当院では、スポーツ外傷を含む重篤な症例については、近隣の病院(国立医療センター、三宿病院、共済病院、昭和大病院、厚生中央病院)や、出身医局の昭和大藤が丘病院スポーツ整形外科への紹介も行っています。

スポーツ外傷・障害

主なスポーツ外傷・障害

  • 手指(手首)
  • 肘(ひじ)
  • 膝(ひざ)

手指(手首)

手指の外傷として頻繁にみられるのは、球技における「突き指」ですが、使いすぎによる腱鞘炎(けんしょうえん)も障害として起こることがあります。また手首では、転倒時に手をつくことで起こる橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ:コレス骨折・スミス骨折など)がよくみられます。
【症状/疾患】突き指、腱鞘炎、橈骨遠位端骨折、舟状骨骨折など

突き指

「突き指」は指が固いものにぶつかって、指先に大きな力が加わることで起こる指外傷の総称として、一般的に広く知られています。受傷した指には痛みや腫れ、動かしにくさなどが伴いますが、放っておけばじきに治ると軽く考えられがちです。しかし「突き指」には、挫傷や捻挫などの軽度の外傷以外に、骨折や脱臼、腱や靭帯の損傷など重度の損傷も含まれ、中にはすぐに手術が必要なこともあります。早期に正しく診断されないと、適切な治療の時期を逃してしまうこともありますので、「突き指」を軽視せず、整形外科で正しい診断と適切な治療を受けることをおすすめします。

肘(ひじ)

肘では「テニス肘」や「野球肘」といった使いすぎによる障害がよくみられます。手や肘は、スポーツ時に腕の捻りなど複雑な動作が加わるため、筋肉が付着する靭帯や骨、腱などにストレスがかかり、炎症が起こりやすくなります。これらの痛みは徐々に生じてくるため、ひどくなってからでないと発見されないことがあります。肘はとくに発育期の子どもに特有のスポーツ障害が起こりやすい部位でもあります。
【症状/疾患】テニス肘、野球肘、変形性肘関節症、肘関節脱臼など

肩の外傷は、コンタクトスポーツでの衝突・転倒による「鎖骨骨折」や「肩関節脱臼」がよくみられます。障害では使いすぎによる「野球肩」などが多くみられます。
肩関節は可動域の広い関節ですが、その反面、構造上非常に不安定であるため外傷や障害を起こしやすいという特徴があります。また、他の関節は靭帯が関節を固定していますが、肩は主に筋肉が関節を固定していますので、外傷後のリハビリや障害の予防には肩関節周囲の筋力強化が不可欠となります。
【症状/疾患】野球肩、肩関節脱臼、肩鎖関節脱臼、肩腱板損傷・断裂、上方関節唇損傷(SLAP損傷)、肩関節拘縮、変形性肩関節症など

野球肩(投球障害肩)

野球肩とは、主に野球の投球動作を繰り返すことによって生じる肩関節障害で、野球以外でもテニスのサーブやバレーボールのアタックなど、腕を大きく強く振る動作を繰り返すスポーツで生じることもあります。肩関節を構成している骨や軟骨、筋肉や腱の損傷が原因で起こります。ジュニア期には特有の病態として上腕骨近位骨端線離開(じょうわんこつきんいこったんせんりかい:リトルリーグショルダー)があります。子どもの骨には骨端線という成長軟骨があり、この部分は力学的に強度が弱く、過度に負荷がかかることで損傷します。初期は骨端線が少し広がる程度ですが、進行すると骨頭と呼ばれる部分がずれて骨の変形が起こり、ひどくなると骨折することもあります。診断にはレントゲン検査が必要となります。野球肩の痛みは投げる時に起こり、安静にしていれば痛みません。治療の基本はリハビリを中心とした保存療法で、投球フォームの見直しや体幹トレーニングなど肩以外のコンディションも整えていきます。投球数制限が大切です。

スポーツでは腰への負担のかかる動作(ジャンプや捻り)が多く、その繰り返しによって椎間板や椎間関節などにストレスがかかり、「腰椎椎間板ヘルニア」「腰椎分離症」「腰痛症」といった障害が多くみられます。腰周囲筋の柔軟性の低下や筋力不足なども腰痛を引き起こす原因として考えられており、腰への負担を軽減するための腹筋や背筋の筋力強化等のリハビリテーションも腰痛予防に有効とされています。
【症状/疾患】腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰痛症など

膝(ひざ)

膝は身体の中で最も負担のかかる関節で、スポーツ全般をみてもけがや故障発生が多い部位の一つです。手術を必要とするようなケースも少なくありません。靭帯や半月板損傷といった外傷のほか、ジャンパー膝、オスグッド病といった使いすぎによる障害も多く発生しています。
【症状/疾患】前十字靱帯損傷、半月板損傷、離断性骨軟骨炎、ジャンパー膝、オスグット病、軟骨損傷、など

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)

半月板は、大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)と脛骨(けいこつ:すねの骨)の間に存在する軟骨性の板で、左右の膝関節に2枚ずつあります。アルファベットの「C」に似た形状で膝の内側と外側にあり、膝のクッションとして機能し、周辺の関節軟骨を保護する役割を担うほか、膝の安定化や脚の屈伸もサポートしています。この半月板が傷ついてしまった状態を半月板損傷といいます。膝をひねったときに大きな力や衝撃が加わると起きやすく、スポーツで、ジャンプしたときの着地に問題があった場合や、サッカーやバスケットボールなどで急な切り返しをしたときによく起こります。ときには、前十字靱帯の損傷に伴って、半月板も一緒に損傷する場合もあります。
半月板を損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかり感が生じます。ひどくなると膝に水がたまって腫れたり、急に膝が動かなくなるロッキングという状態を起こし、激しい痛みで歩けなくなったりすることもあります。一旦損傷すると自然治癒する可能性は低く、放置すると損傷が大きくなり症状が増悪します。
治療には保存的治療と手術治療があります。保存的治療ではテーピングやサポーターで患部を固定し抗消炎剤・鎮痛剤などを用いるほか、リハビリを含む運動療法を行います。一方、スポーツなどのけがによって生じた半月板損傷や保存的治療で改善しない場合には、関節鏡を用いた手術治療を行います。手術は損傷した部分を切り取る切除術と、損傷した部分を縫い合わせる縫合術があります。